メソポタミアのリリス

ふくろうはひなをかえす巣をつくり、繁殖にそなえて卵をじっと抱え込む。
蛇は人を魅するために木の根元に巣を作り、小動物を捕食する鷲や鷹はアンズの小鳥 の繁殖に備えて枝をみつくろう」そして、リリスは樹幹根から上に伸びる枝葉がしっかり育つように幹に居を構え、静かな夕闇の中で休息する。
リリスの原型、Lilitu 「リリトゥ」は、シュメールの(ギルガメッシュと柳)の風の霊・Lillakeに由来する悪霊でですが、その後の中世においては不浄の存在_魔女として継承されていきました。

黒い月リリス

アストラル界には悪魔や魔物がいる。
リリスはアストラルの卑俗な物質から生まれた悪しき存在である。「人神ガブリエリ」は、肉体や物体の基礎をつくるが、「猥褻リリト」は悪の基礎を築く。この邪悪な存在は人間の弱点をついては自分の思い通りの目的を果たす。
負の思考と感情は、物質的執着や病的執着を産み付け、自分と契約したものを滅ぼす。人は自分の※欲望を達成しようという気持が異常に強く、とくに生に対しては強い執着がある。ヘブライ神話

二つの目をもつ魂と光と闇(陰陽)の世界

リリスは、悪の攻撃を受けやすい無意識の奥に潜む本能です。リリスが人の心に住み着くと、人間の心を闇で覆い、あらゆる手段を使って負の感情(怒り、悲しみ、怨念)や欲を植えつけます。欲心、慢心など・・・・心に隙を与えると、たちまちリリスが家を構えて、悪のヒナ(リリスの子供リリム)をかえします。
女性がある時代において差別されてきた理由は、不浄の月が引き起こす月経と感情の連鎖にあります。そういった意味での「リリス」は、中世における魔女の原型であると言えます。さらに時代を下ると、白い月「イブ」と黒い月「リリス」を、擬人化したドラキュラ伯爵やジキル博士とハイド氏などにとってかわります。両者は月のサイクルによって表裏が入れ替わる二重人格者のたとえです。いずれも表裏一体の心の陰陽をあらわしたものです。地球を含む物体や人の心には影があります。7人の天使と墜天使のようにです。
太陽の存在(太陽霊の分霊)が、地上に住む個人の自我の中に入り込んで以来、人間は事実・真実でないことを、予断や偏見で堅く信じ込んで疑わなくなったのです。
たとえば、光が当たらない(薄暗い)湿原や森には、魚鳥獣多く住んでいます。同じように人の心にも物の怪(もののけ)が住み着くと、物欲、怒り、恨みで生命の火をさえぎります。つまり、人体を取り囲むアストラル体は、生命の火によって映し出される心の世界「時の鏡」ですから、その火が弱まると、意志も弱くなってしまいます。人は月天と呼ぶ最低の構成部分_物質界の底辺_四大元素の天球から生まれた「地球」に今でも束縛されているため、ありとあらゆる欲にかられるのです。太陽霊イエス・キリストを裏切ったイスカリオテのユダ(太陽分霊の負の側面)がこれに匹敵します。
人体の向かって左は影・夜、右は光・昼の意識をあらわしています。
影に身を潜めたアンズの鳥は悪のひなをかえす。
ハイエナ(雌豚)に出会ったライオンや好色で繁殖力旺盛なヤギの悪魔は、互いに呼びかけながら、魂を売ってくれる人間を捜します。欧米の伝説や神話にみるヤギは、罪や悪の化身(悪魔)です。悪霊は真夜中・暗闇に出没し、地球(十字架)の東から上る太陽の光とともに消滅します。何故なら、悪は自我の光を嫌うからです。
★★★心の中の光と闇☆☆☆

ユダヤカバラとシンメトリー(左右相称)

すべての生物は二つ揃って一組で成立します。光と闇(ブラックホールとホワイトホール)もその一環です。
天界の底辺にある地球や人間の周囲には人体を守る※人神と、人体の粗悪な物質から生まれた背信者リリスが、互いの存在を認め合いながら、共に心の中に生きています。
太陽を含む惑星の光によって映し出された恒星天には「十の善を行う霊」と、それに対応する「十の悪を行う霊」が居を共にしています。物体に影はつきものです。たとえばアダムの影はイブですが、そのイブにも影があります。実際、地球から月の裏側は見ようにも見ることができません。そして、心も光をあてなければその裏側を見ることができません。※ヘブライ神話「幻の天使ケルビム」
参考文献
「ユダヤカバラ」
「バカバッタギータ」
「Hebrew Mythology」 by R.Grave & R.Patai
© 2017 maia-shimotsuki.jp