木星 Jupiter

人馬宮と双魚宮(サブルーラ・副支配星)支配星

木星はギリシャ神話における最高神「ゼウス」や、法律を司るローマ帝国の最高神「大神ユピテル」由来の惑星です。海王星が発見される以前、木星は人馬宮と双魚宮の2つを支配していました。
この天体は金星と並んで「幸運をもたらす星」として知られていますが、本来の作用は具体的なものです。からだの体温を上げ、健康に導く。神経を緩和させ、理解力をもたらす。そして、魂の成長と発展に力を貸してくれる、というものです。
人馬宮は人への敬意や善悪を識別する思想、哲学、倫理、宗教、法律、また、それらを学ぶ高等教育機関(大学、大学院、専門学校)などを司ります。双児宮がコミュニケーション(他人の体験談や情報誌など)を通して情報を収集し、知識を培っていくのにたいして、人馬宮は自らの体験・経験(海外や冒険旅行)を通して知識の視野を広げていきます。
この関係から、木星は思考を感情の海に解放するいっぽうで、アカデミックな知識(学問)だけに頼る傾向もあるので、人の思考を狭めてしまい、机上の空論を生み出す作用もあります。

オリンポスの主神ゼウス

木星が由来するゼウスは、オリンポス山の頂で英雄と人間の運命を定める大神です。
天の頂きに向かって弓矢を射る人馬宮(ケンタウロス族)は、人それぞれの理想とする世界に向けて力を及ぼします。
ただ、理想の国を創るためには、個々の行為・行動の規準(規律、倫理、哲学、憲法)を設ける必要があります。木星は思考を広げる天体ですから、目標を定めてから弓を射ないと、とんでもない方向へと飛んでいってしまう、という事態が起こります。
たとえば、太陽と木星の組み合わせによって生命の火が強まると、的を射ないプランがあてもなく広がり続けるという弊害が起こります。大企業や富裕層だけが繁栄する今日のグローバリズム、その弊害に当てはまるかもしれません。
逆の作用をする組み合わせもあります。それが木星と月です。月(夜)は木星の熱を冷まして、慈愛や奉仕の精神を授けてくれます。
木星や土星は、個人的カルマの法則と深い関係をもつだけに、成り行き任せの人生(尊大、贅沢、放蕩)に生きると、魂は次第に退化します。
人生を「物事の貸し借り」という概念で考えてみましょう。善、賢、真、正は利子であり、悪、愚、虚は利息ととらえます。感情の海を広げるかに座の木星は寛容、逆に感情の海を干上がらす、やぎ座の木星は非寛容とします。
これは出生図・ネイタルチャートの木星のサイン、ハウス、アスペクト(惑星同士の相性)からその状態が判断できます。
たとえば、太陽と木星の調和がよければ、良識の下で将来を見通す先見性が与えられます。つまり、現生で貸しの利子が発生します。
太陽と木星が不調和の場合は、果たせぬ約束を平気で交わしたり、自分本位の思想や宗教観を押し付けたりするなど、木星特異の楽観がネガティブ(傲慢)に表れて、自分の評判を落とす傾向にあります。いわゆるインスタント・カルマ=瞬時の行いに対する即日返済です。これは現生であらためる必要があります。